その症状が身体にどのような影響を及ぼしているか?
病状の客観的な情報を得るために、必要を思われる検査を施行します。
外来では通常、1次スクリーニング検査として血液検査・尿検査・レントゲン検査・心電図検査・腹部超音波検査など、手軽で迅速に結果の得られる検査がオーダーされます。
また、内視鏡検査・CT検査などの予約を入れることもあります。
医師の診察でのポイント
・検査はメリット、デメリットのバランス感覚が大切です。
・自分の身体を一番良く知っているのは自分自身。医者の言葉を過信しない
・検査結果は絶対ではない。検査の感度の限界を知るべし
検査は、患者の問診・診察で、異常が見つかったとき、または異常が疑われたとき、それを立証できる客観的な証拠を得るために行われます。
医師は検査に先立ち、その結果を予測します。予測された結果と、実際の検査結果が一致する医師は「診断能力の高い医者」ということになります。
多くの検査は安全に行うことができます。しかし、中には合併症の危険の高いもの、苦痛を伴うものもあります。検査をせずに診断がつけられればそれに越した
ことはないのです。しかし、証拠もなく診断をすることはできません。そこで、なるべく合併症や苦痛の少ない検査を、必要最小限行うのです。
医師の中には「あれも検査してみましょう、これも検査してみましょう」と片っ端から検査をオーダーしてしまう人もいますが、「なんて親切な先生なんだ」な
んて勘違いしてはいけません。何も考えずに検査の結果を見るだけならば、医者でなくてもできるのです。
医師はすべての検査について、その必要性と危険性を熟知し、検査をすることで得られるメリットが、検査の苦痛や合併症の危険性を上回るときにのみ、検査をオーダーすべきなのです。
逆に、患者の話を聞き落としたり、診察で見逃したりして、重要な異常に気がつかず、必要な検査がオーダーされないこともあります。実際、忙しい外来ではこ
ちらのケースの方が多いかもしれません。患者としては、どのような検査があって、どういうことが解るという最低限の知識を持って、自己防衛する必要があり
ます。自分の身体のことを一番よくわかっているのは患者自身ですから、医者が「大丈夫ですよ」なんて言っても、納得できなければ、しっかり説明を求めま
しょう。その説明に納得がいかなければ検査を要求しましょう。
検査をしないで診断ができるほど診断能力の高い医者はほとんどいません。医者が常に正しいとは限らないのです。特に、あなたの身体については、あなたのほうがよくわかっているはずですから。
もう一つ重要なことがあります。それは「検査の結果を過信しないこと」です。検査で何も見つからなかったから安心だ、とか、検査で変な結果が出たから心配
だ、とか、そんな単純なものではないのです。検査にはそれぞれの異常検出能力の限界があり、異常を見つけ出すことができないこともあるのです。正常なのに
異常な結果を導くこともあるのです。そのような可能性をつねに心においておくことが大切です。
重要ポイント1
●過剰な検査が行われていないか?
●危険性が大きいわりに、得られる情報が少なくないか?
検査はメリット、デメリットのバランス感覚が大切です。
重要ポイント2
●診断に必要な検査が抜けていないか?
●医者の診断に疑問はないか?
自分の身体を一番よく知っているのは、あなた自身です。
重要ポイント3
●検査の結果を鵜呑みにしていないか?
検査結果は絶対ではありません。検査の感度には限界があることを理解しましょう。
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